Road to the Clouds   5000メートルの峠を越える  


●プジョー504に再会

人口約30万人のサルタには、さまざまなクルマが走っている。
アルゼンチンは南アメリカの国とはいえ、ヨーロッパの影響がとても強い。
だから、街を走るクルマにはドイツ、フランス、イタリアのクルマが多い。
地理的につながっているアメリカ車が少なくないのは当然だが、
SUVやピックアップ、バンなどが中心だ。
日本車や韓国車は、欧米やアジアで眼にするほどの存在感は、ここではない。

外国で、道行くクルマの“相”を眺めるのは、クルマ好きの楽しみだ。
アルゼンチンでうれしくなってしまったのは、往年のプジョー504が、
元気に走っていたことだ。
タクシーでも、自家用でも、たくさん走っていた。

プジョーは、以前からアルゼンチンで現地生産を行っていて、
504がフランス本国で生産を終了してからも、ずっと作り続けていた。
20年以上前に、僕は東京でディーゼルエンジン付きの504を気に入って乗っていたから、
とても懐かしかった。
最新の407とすれ違うところを見比べると、504のいかにスリムで小さかったことか。

ディスカバリー3とは、サルタでお別れだ。
世界で8番目に広い国土面積を持つアルゼンチンの一部を
走ったに過ぎないかもしれないが、標高5020mまで上ったり、険しい岩山を越えたり、
過酷なところばかりを走った。
ランドローバーの自信と、ディスカバリー3の実力の高さを思い知らされた。
このまま、ずっとアラスカまで北上し、ベーリング海を渡って、


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◆本コラムは
『Motor Magazine』誌2008年6月号と7月号
「クルマの「光」と「影」 
標高5000mを走る自動車冒険記 前後編」
に加筆と修正を加えたものです.